ご自身の商品・サービスを、ひとつ思い浮かべてください。
お客様がそれを使った瞬間、心の中で何とつぶやいているか。想像してみてほしいんです。セミナーの冒頭でやっていただいた、一番シンプルなワークです。
つぶやきは、だいたい4つに分かれます。
1. 「助かる」——機能的価値。便利、早い、この値段でこの性能。役に立ったときの声です 2. 「好き」——情緒的価値。理屈ではなく、心が動いている。「あの人に頼みたい」もここです 3. 「試したい」「語りたい」——認識的価値。新しい、面白い、人に話したくなる 4. 「誇らしい」——社会的価値。これを使っている自分がいい、と思える
どれかひとつ、聞こえたでしょうか。
このワークの土台には、ひとつの考え方があります。価値はモノに宿らず、人が感じた瞬間に生まれる、ということです。どんなに便利な商品でも、誰一人「助かる」とも「好き」とも感じていなければ、それはまだ、ただの物体です。
だから、スペック表や企画書からではなく、お客様のつぶやきから考える。つぶやきは、価値が実際に生まれた瞬間の音だからです。
聞こえたつぶやきは、あなたの価値がいま届いている層を示しています。「助かる」なら機能が、「好き」なら情緒が届いている。それ自体が、まず大切な資産です。
そして、もうひとつ大事なのは——聞こえなかったつぶやきのほうです。
「助かる」は聞こえるのに「好き」が聞こえないなら、比較と価格の競争に巻き込まれやすい状態かもしれません。「好き」はあるのに「試したい」が聞こえないなら、新しさの補給が止まっているのかもしれない。層がひとつ増えるごとに、お客様との関係は深くなっていきます。
ただし、この階段は必ずしも下から順に上がるものではありません。「試したい」から入って、使ううちに「好き」になる人もいます。どの入り口からでも構いません。層が積み重なっていくほど、その商品は「なくてはならないもの」に近づいていきます。
一方で、聞こえているつぶやきも、永遠ではありません。機能はすぐに乗り換えられますし、「好き」も接触の回数が減ると薄れていく。だから毎年、手を変え品を変え、企画とプロモーションを続けるしかない——セミナーでは経営の難しさとして、この話もしました。
セミナーの最後に、冒頭のこのワークへもう一度戻ったのは、そのためです。聞こえたつぶやきを守りながら、聞こえなかったつぶやきをひとつずつ育てる。その繰り返しが、選ばれ続けるということだと思います。
足りていない層が、伸びしろです。
業種と6つの質問に答えるだけ。