価値の階段は、下から順に上らなくていい。断言します。
アルチでは、価値を4つの層で捉えています。機能的価値「助かる」、情緒的価値「好き」、認識的価値「試したい」「語りたい」、社会的価値「誇らしい」。「助かる→好き→試したい→誇らしい」は、顧客との関係が深まっていく階段です。
階段、と聞くと、一段目から順に上るものだと思いますよね。まず便利さで選ばれて、それから好きになってもらって……と。実は、そうとは限らないんです。
いつも使っているコップがあるとします。壊れてもいないし、不満もない。それでも、新しいメーカーのコップを見ると、使ってみたくなりませんか。
これが「試したい」——認識的価値です。機能に困っていたわけでも、そのブランドを好きだったわけでもない。新しさそのものが入り口になる。そして試して使ううちに、手になじんで、いつの間にか「好き」になっている。階段を、途中から上り始めているわけです。
「好き」から入る人もいます。作り手の人柄が先にあって、あとから「意外と便利だ」と気づくパターン。入り口は、人によって違うんです。
どの入り口から入ってもらってもいい。大事なのは、入ったあとに層が積み重なっていくことです。
「試したい」で入った人が、使ううちに「助かる」を実感し、「好き」になっていく。層が重なるほど、その商品・サービスは「なくてはならないもの」に近づいていきます。逆に、一つの層だけで止まっていると、関係は薄いままです。新しさだけなら飽きられ、便利さだけなら乗り換えられる。
そこで、設計の話になります。
いまのお客様は、どの層から入ってきた人が多いでしょうか。便利だから来た人。紹介で、人づてに好きになって来た人。話題になっていたから試しに来た人。
入り口が分かると、次の一段を用意できます。「試したい」で来た人には、好きになってもらう体験を。「助かる」で来た人には、語りたくなる新しさを。
そしてもし、入り口そのものが一つしかないなら、増やすことも考えられます。定番はそのままに、新しい入り口をひとつ足す。それだけで、いままで出会えなかった人が階段に足をかけてくれます。
入り口は、多いほうがいい。そして、どの入り口から入った人にも、次の一段を。
業種と6つの質問に答えるだけ。